待ち続けるのは愛撫と抱擁

最近ぼーっとしていると叫びたくなってしまう。
どこかに感情をぶつけたいんだろうか。
衝動性、というか攻撃性が強くなってきている気がする。

簡単なことで興奮してしまう。
私が興奮していると他の人は悲しむ。

私の興奮は癇癪であり、暴力的なマシンガン。
言葉は汚く、周囲は困惑する。
その対象は常に、母なのだけれど。

夜中唸ってしまうことがある。
叫びたい声を押し殺しているかのような。
セックスの時にあげる声を押し殺す為のこらえ方を
もっと野生化させたような感じというとわかりやすいと思う。
決してオナニーをしているわけではない。
声が乱雑に頭の中を飛び散る。
意識が混濁する。
やはりそれはセックスに似ていた。

高校時代私は、セックスを叫びだと想像していた。
行為は動物的だし、私でない私が生きてくる。
私の場合それは「商売」であったのでその声はあえて作り物だったが
愛を感受したら、私の中の涙は流れるだろうか。

性行為に愛を求めること自体、なんだか馬鹿馬鹿しい。
私は大人になるよりも子供に還っていきたい。
大人たちに頭を撫でてもらいたい。
大人たちに抱っこしてもらいたい。
大人たちから笑みを向けられたい。
大人たちから無意味に褒められたい。

どうして子供時代に執着するんだろう。

これは私の中で、摂食障害になる前からの「不思議」だった。

私はよほど愛されていなかったのか。

全ては私の被害妄想であった。
そして何らかの形で
「特別でありたい」という願望の強さ。

ここのところ思う。

私の病気は治らないんじゃないかと。

それは私が幼い頃から望んだ形だったから。

病気になることは私の「夢」だった。

だからものを食べなくなったのか。
だから身体を売ったのか。
だからものを盗んだのか。
だから腕を切ったのか。
だから薬を沢山飲んだのか。
だから全てを拒絶したのか。

自分自身を汚すことにひどい快楽がついてまわる。
傷ついた自分を見て救われている。
自傷行為――今までの全ての行動をこう呼びたい――は自慰行為だ。

悲劇のヒロインになることを望み、
地球の中心が自分でありたいと夢見、
誰からも思われることを希望した。

それがこの現実か。

確かに普通に生きていたら「悲劇」な毎日を送ることはなかっただろう。
「悲劇」じゃない。「悲惨」だ。

そして誰からも愛されない。
愛と同情は正反対とまではいかないけれど直角くらいには違うだろう。
同情を望んだ私の、夢が叶ったのよ。

だから抜け出せないのか。
もしこんなこと昔から思っていなかったら
私はとっくに治っていたかもしれない。

病人になることは私の長年の「夢」だった。

愚かすぎる。
寧ろ笑える。

ばっかみたい。

全ては私の意志だったと？



先生、私の自己評価が低いって言うけど
それって仕方ないんじゃないの？
もう一人の私が私をしっかり観察して
毎日ちゃんと点数を出している。
赤点ばかり。

先生の中にはもう一人の先生いないの？
居ても、その人は優しいんだね。

先生、ふぃはどうしたら治るの？
病気になるのが夢だったの。
だったら治らない方が幸せ？

今？

今は治りたいよ。

でも私の根源は・・根元は全部小さい頃にあるの。
泥にはまって抜け出せない。
小さい頃の概念が今も私を縛って離さないの。

先生、私今でも母が信じられないの。
こんなに私に献身的にしてくれているのに
私はどうしてだか母の愛を信用できない。
母の愛？
違うね。
愛自体を信じてない。
家族からの愛、友達からの愛、治療者からの愛。
どうしてだかちゃんと信用できない。
大事なのよ？大事なのはわかってるんだけど。
でもみんな愛してる人が居て、
私はその中にランクインしてないだけって話なの。
わかるかしら。
愛してる人は一人だよ。
私は誰の一番にもなれない。



私誰かの一番になりたいの。

痩せたら誰かの一番になれる？
優しく誰かが愛撫してくれるかしら？
綺麗になったら誰かがいつも側にいてくれる？

じゃあ私はずっと一人だね。

痩せることも美しくなることもできない。

出来損ないは誰も愛さない。

痩せてればよかった。
痩せていたら誰かセックスしてくれたかもしれない。
セックスしてる最中は私はその人の一番だから。

太ったからいけない。
太ったから私は一人。
太ったから私は一人。
太ったから私は一人。

痩せる日なんか来るの？
私ずっと一人だね。

過食したい。
胃の中から私を満たしてほしい。
過食したい。過食したい。過食したい。

だってこの攻撃性。
いつまでも私を苦しめる。
私が私をいじめ続けるの。
止められないよ。
だって抑える手がないんだもん。

私を止めて。
誰か
私を止めて。
一緒に居て。
一緒に居て。
傷が疼くよ。
助けて。

どうしたらいいのかわかんないんだもん。